大高博幸さんの 肌・心 塾
2018.2.28

『 あなたの旅立ち、綴ります 』 試写室便り 【 大高博幸さんの 肌・心塾 Vol.437 】

大高博幸さんによる試写室便りです。今回は映画「あなたの旅立ち、綴ります」についてご紹介します。

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訃報記者へ舞い込んだ依頼は、
< 最低 > な 老婦人の
< 最高 > な おくやみ欄を
生前に作ること。

あなたの旅立ち、綴ります
アメリカ/ 108 分
2.24 より公開中/配給:ポニーキャニオン

【 STORY 】 広告業界で成功を収めた ハリエット・ローラーは 何不自由なく暮らしていたが、80代に入ってから 孤独と死への不安を感じていた。そこで 自分の訃報記事を 生前に執筆することを思いつき、地元の若い新聞記者 アン・シャーマンに依頼する。しかし、自己中心的なハリエットを良く言う人はおらず、理想と かけ離れた原稿を読んだ彼女は、最高の訃報記事に欠かせない 4 つの条件を満たすため、自分を変えることを決意。その答え探しを手伝うことになったアンは、性格がまったく違うハリエットと ぶつかり合っていたが、いつしか 2 人の間に芽生えていたのは 世代を超えた友情。ハリエットとの出会いによって、人知れず悩みを抱えていたアンの未来も 変わり始めていた……。( プレス資料より。一部省略 )

シャーリー・マクレーン ( ハリエット役 ) と アマンダ・セイフライド ( アン役 ) の共演に意外性があり、大いに観賞欲をそゝられた ハートフルなヒューマンドラマ。

のっけから恐縮ですが、ストーリーは予定調和的、マーク・ペリントンの演出はステレオタイプ的で、僕はノレない自分に 少々 苛立ちを感じていた というのが正直なところ。しかし、ハリエットが 地元のラジオ局の DJ として起用される辺りから、徐々に面白くなってきました。そのラジオ番組での 彼女の第一声を聞いてください。
「 おはよう、ハリエット・ローラーです。新しい朝が来ました。いゝ一日ではなく、本物の一日を送ってください。自分に正直な一日を送るの。いゝ一日なんて みじめなだけ。それが私の意見、忘れないで。では、 」( と 曲の紹介に続きます ) 。

S・マクレーン ( 1934年生まれ ) は 今までで一番、シワとたるみの目立つ顔で登場しますが、彼女ならではの個性の魅力は健在。But、東洋のお姫様を 柄にもなく しおらしく演じた『 八十日間世界一周 』( ’56 ) や、ジャック・レモン扮する お巡りさんに ベタ惚れされる『 あなただけ今晩は 』( ’63 ) での娼婦役 etc の愛らしさを リアルタイムで観てきた僕としては、当時の彼女を知らない若い皆さんに、それらを ぜひ観てほしいと、ついつい考えてしまいました。
A・セイフライド ( 1985年生まれ ) は、多くの場面で眉間にシワを寄せてばかり。But、父親と会って過ごす数場面で 娘らしい柔和な笑顔を浮かべるところや、抱えていた悩みを吐露する終盤の演技に 真実味があって良かったです。

ハリエットがアンを叱り励ます場面に、「 そうだ そうだ 」と言いたくなる キャリアに関する台詞が幾つかあったので、正確ではないとは思いますが 紹介しておきますね。
「 自分の身を危険に晒せないようじゃ 本物には なれない。危険を承知で進むのが本物の人生よ。自分の可能性を捨てるようなコトは しちゃあダメ 」。
「 失敗こそが あなたを形作るの。失敗が あなたを賢く強く、自立した人間にするの。思いっきり失敗してみなさい。そうすれば 学べる、生き残れる 」。
これを、ⓐ おせっかいな説教 と受け取るか、ⓑ 真の励まし と受け取るかも、その人の力量にかゝっている…。アンの場合は モチロン ⓑで、その後、どんな風になるかは、スクリーンで見届けてください。

今回は 1 作のみで失礼します。次回の試写室便りは 3 月 20 日頃の配信で、『 ワンダーストラック 』『 ウィンストン・チャーチル 』『 娼年 』を御紹介する予定です。では!

 

 

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ビューティ エキスパート
大高 博幸
1948年生まれ。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸さんの 肌・心塾

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