健康・ヘルスケア
2018.4.10

女医に訊く#8|子宮筋腫の治療は手術するしかないの?

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子宮筋腫は多くの女性がかかる病気です。もし自分に子宮筋腫が見つかったら……? 治療はどうするの? 薬で治るもの? やっぱり手術が必要? 気になる子宮筋腫の治療法について、婦人科医の福山千代子先生にお伺いしました。

良性で生活に支障がなければ経過観察が一般的

前回記した通り、子宮筋腫は良性でサイズが小さい場合、自覚症状がほとんどありません。仮に子宮筋腫があったとしても、現在の生活に支障がなく、かつ妊娠にも影響しないという診断であれば、そのまま定期的に経過を見るそうです。

「ただし粘膜下筋腫のように過多月経をともなう筋腫や、妊娠・出産に影響が考えられる筋腫は、切除手術をおすすめする場合もあります。手術法は子宮筋腫が発生した場所や大きさ、筋腫のタイプによって違いますが、現在は大きく腹部を切らない『腹腔鏡手術』や『子宮鏡下手術』も増えています」(福山先生)

子宮筋腫の手術方法は?入院期間は?

腹腔鏡手術とは、1.5~3㎝位の小さな穴をお腹に開け、カメラで内部の状態を確認しながら子宮筋腫を切除する方法です。大きくお腹を切らずに済むので、入院期間はだいたい3~4日。その後自宅療養が必要です。「社会復帰まではおおよそ2週間」(福山先生)とのことですが、もっと早く社会復帰する方も多いそう。家事などの日常的な生活は、比較的早くから大丈夫とのこと。

もう1つの方法は、膣から手術を行う『子宮鏡下手術』です。粘膜下筋腫の場合、膣から細いカメラを入れ、筋腫の状態を確認しながら、少しずつ切除していくことが可能。この場合、お腹を傷つけずに手術できるため、入院はだいたい1泊2日が多く、その後自宅療養が必要になります。

「筋腫が大きい場合や発生した場所によっては、開腹手術が必要な場合もあります。その場合、入院がだいたい1~2週間。開腹創が大きくなるため体力の回復にも時間が必要となり、療養期間も上記2つの手術よりは長くなります」と、福山先生。

おもな子宮筋腫の手術法

●腹腔鏡手術

・入院期間2~3日

・お腹に小さな穴を開け、カメラで状態を確認しながら切除する手術

・傷が目立たず、入院・療養期間が短い

●子宮鏡下手術

・入院期間1泊2日

・膣からカメラを入れ、状態を確認しながら切除する手術

・目立った外傷はなく、入院・療養期間が短い

・粘膜下筋腫など、筋腫の種類が限定される

●開腹手術

・入院期間1~2週間

・メスでお腹を開け、子宮筋腫を切除する手術

・入院、療養ともに時間がかかり、傷が残る場合も

・大きく成長した筋腫に有効

そのほかには『塞栓術』(そくせんじゅつ)といって、筋腫に栄養を送る子宮動脈に塞栓物を詰めて筋腫への栄養を絶つことで小さくさせる方法もあります。また『FUS(ファス)』という超音波により、筋腫を焼いて小さくする方法も。

「これら2つの方法は、子宮筋腫の数や位置が限定されます。塞栓術の場合、筋腫があまりにたくさんあると、多くの血管を塞がなくてはいけないため、現実的ではないケースも。FUSの場合、超音波を他の臓器には照射できないため、筋腫の位置によっては治療ができません」と、福山先生。

薬で完治はできないから一度できたら一生付き合う!?

とはいえ、できれば手術をしたくないという方もいるはず。たとえば“薬”を服用して治療するという選択肢はあるのでしょうか?

「薬を用いた治療には、低用量ピルを処方する方法があります。これ以上子宮筋腫を大きくしないために、女性ホルモンをコントロールする方法ですね。ただしこれは、進行を遅らせる方法で、子宮筋腫を根本的に治療する手段ではありません。子宮筋腫は、一度できると手術で取る以外に完治する方法はありません。消すことはできないんです」(福山先生)

閉経後には若干小さくなる場合もあるそうですが、子宮筋腫はできてしまったら、一生付き合っていかないといけない病気なんですね。

予防法はないからこそ婦人科検診が大切

それでは、なるべく子宮筋腫にならないように“予防する方法”はあるのでしょうか? 残念ながら福山先生の回答は、「ありません」とのこと。そもそも子宮筋腫は発生要因が分かっておらず、あったからといって、すぐに生命を脅かすような存在でもありません。

「自覚症状がなくても定期的に婦人科検診をしていただくことが重要。生理痛が辛かったり、妊娠を望んでいるのになかなか叶わなかったり、長年抱えていた婦人科系の悩みも、実は子宮筋腫が関係しているというケースもあります。ひとりで悩むよりも、専門医に相談を」(福山先生)

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産婦人科専門医
福山千代子先生
アヴェニューウィメンズクリニック院長。金沢医科大学卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年11月より現職。クリニックでは更年期障害をはじめ、月経痛や月経前症候群(PMS)など、女性特有の疾患に関する治療を行っている。
■アヴェニューウィメンズクリニック 

文/宇野ナミコ 撮影/藤岡雅樹(小学館)

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