健康・ヘルスケア
2018.6.13

女医に訊く#17|シミ・くすみはなぜ出来る?美白の疑問にドクターが答えます

\"\"

日差しが強さを増すこの季節、天気が良い日に外出すると「シミになりそう!」と心配になってしまいますよね。そもそもシミやくすみはどうしてできるの? シミにはどんな種類がある? そんな美白に関する基礎知識を、皮膚科医の高瀬聡子先生が解説します。

メラニンは悪者ではない?実は肌細胞を守る働きの一つ

太陽をたくさん浴びた時、「シミになったらどうしよう」と思う女性は少なくないはず。シミやくすみの発生を促す、大きな要因の一つが“紫外線”です。

「紫外線を浴びると、肌内部で“細胞を守れ”という指令が発生します。その指令が伝達物質を通じて、表皮の一番下の基底膜にあるメラノサイトに伝わります。メラノサイトはメラニンを産生し、表皮細胞に受け渡します」(高瀬先生)

表皮細胞に受け渡されたメラニンは、細胞の核を守る“日傘のような役割”を果たします。美容の世界では、メラニンはシミの原因として悪者にされがちですが、本来は肌のDNAを守るために必要な存在なんですね。

日焼けは解消するのに「シミは消えにくい」のはなぜ?

日焼けして肌が黒くなるのは、紫外線を大量に浴びたことで、メラニンが一時的に大量に産生されるためです。メラニンが肌全体に広がると、くすみ感を引き起こします。

「本来メラニンは、ターンオーバーとともに角層に到達し、垢となって剥がれ落ちます。しかし年齢とともにターンオーバーのリズムが滞ったり、特定の場所で過剰にメラニンが生成されると、ポツンと目立つシミとして定着してしまいます。くすみ感が目立つことにも“ターンオーバーの乱れ”が関係しています」と、高瀬先生。

角層のキメが整っていると、肌に当たった光が美しく反射して、透明感や自然なツヤが生まれます。ところが、ターンオーバーの乱れや乾燥から、角層のキメが乱れると……? 肌の上で光が乱反射して、くすんだ印象になってしまうそう。

ストレスに要注意「紫外線」以外にもシミの原因が!

紫外線以外にも“シミやくすみ感”を際立てる原因があります。ストレスもそのひとつ。

「ストレスを感じると体内に活性酸素が発生し、もともと体内にある“抗酸化物質”を消費します。メラニン生成を防いだりメラニン排出のために使うべき抗酸化物質が減ることで、シミに繋がりやすくなる。また、ストレスを受けると血流が低下し、ターンオーバーが滞ることも、シミやくすみの一因です」(高瀬先生)

忙しかったり、悩みごとがあると「なんだか肌がくすんだ感じがする」「シミが濃くなった気がする」と感じるのは、実は気のせいじゃないのかも……。そんなストレスに加え、近年注目されているのが“大気汚染物質”の存在です。

「PM 2.5など大気汚染物質は、肌表面に付着すると微弱な炎症を起こします。この微弱な炎症が、メラニン生成の引き金となることが判明しています。現代女性を取り巻く環境は、紫外線以外にもシミやくすみの要因であふれているんですね」(高瀬先生)

間違ったスキンケアが「シミを悪化」させることも

時には太陽のせいではなく、自分自身が“シミやくすみを悪化させている”可能性もあるそうです。「間違ったスキンケアがシミの要因となることも少なくありません」と、高瀬先生。

「スキンケアの落とし穴として、まずは“油分不足”があげられます。日本女性はベタベタ感を嫌って、乳液やクリームを敬遠しがちなんですね。油分が不足すると角層が乾燥して、肌に触れた時に摩擦がおこりやすい。この摩擦が微弱炎症を引き起こし、メラニン生成のスイッチを入れてしまうのです」(高瀬先生)

さらに極端なケースでは、肌をこすった場所に赤みを伴う炎症が発生し、色素沈着することも。ボディに発生しがちな下着やウエストまわりの黒ずみも、長期にわたって衣服と肌がこすれた結果、生じる色素沈着の一種だそうです。

「ピーリングのやり過ぎや、肌を強く引っぱるマッサージにも注意が必要です」と、高瀬先生。せっかくキレイのために実践しているお手入れが、シミの原因になってはもったいない! 肌に触れるときは優しいタッチを心がけて。

「加齢によるシミ」「生まれつきのシミ」などシミにも種類が

ひとくちにシミといっても、発生原因や状態によって、いくつかに分類できるそう。以下に、代表的なシミの種類をご紹介します。

老人性色素斑

一般的にシミと呼ばれるものは、ほとんどがこのタイプ。加齢と共に発生し、色は薄い茶褐色から濃い茶色までさまざまで、境界線がハッキリしているのが特徴です。主に紫外線が原因で、紫外線を浴びるとさらに濃くなる傾向があります。

肝斑

女性ホルモンの影響で発生するシミ。顔に左右対称に現れることが多く、境目がハッキリしない、モヤモヤとした影のような状態が特徴です。最も多いのは、頬骨からこめかみに向かって発生するシミですが、口の周りや額に現れることも。

脂漏性角化症

もともとあるシミの角層が厚みを増して、茶色く盛り上がった状態のシミです。紫外線ダメージを長期にわたって受け続けることが原因といわれています。顔や手など、紫外線が当たりやすい場所に発生する傾向があります。

雀卵斑

小さく茶色い点々状のシミで、一般的にはそばかすと呼ばれています。遺伝的な影響が強い傾向がありますが、両親にソバカスがないからといって、子供に出来ないわけではありません。鼻を中心に左右の頬の広いエリアに点在するのが特徴です。

炎症性色素沈着

ニキビ跡や虫刺され、かぶれ、傷跡など、炎症が発生した後にメラニンが沈着してできるシミです。下着や衣服がこすれる部分に発生する、ボディのくすみや黒ずみも、炎症性色素沈着の一種です。

シミは遺伝の影響が?シミが目立ちやすい肌タイプとは

「シミのできやすさは、紫外線に対する肌の反応の強さに比例します。日本人の肌は、大きく分けて3タイプに分類できます」(高瀬先生)

紫外線を浴びると、赤くなって黒くならないタイプ
白人に多い肌タイプ。メラニンが作られにくいため、比較的シミにはなりにくい。そのぶん、日焼けに弱い傾向があります。

紫外線を浴びると、赤くなってから黒くなるタイプ
黄色人種に多い肌タイプ。日本人に最も多く、メラニンの生成量が高くシミになりやすい一方で、日焼けにも注意が必要です。

紫外線を浴びると、赤くならずに黒くなるタイプ
黒人に多い肌タイプ。メラニンの生成量が高く、シミやくすみが発生しやすい。紫外線から細胞を守る力は強いタイプです。

「同じ量の紫外線を浴びても、シミになりやすい人と、なりにくい人が存在するのは、紫外線に対する反応の差によるものです。どの肌タイプに当てはまるかは、遺伝による影響が大きいといえますが、 UV ケアの使用や抗酸化物質を豊富に摂取しているかなど、生活習慣によっても差が出てきます」(高瀬先生)

シミはどこにでもできる!気づいてないけど実は…

シミが出来やすいエリアは、顔の中でも“紫外線が当たりやすい場所”。鼻を挟んだ頬の高い位置は、最も目立ちやすいエリアです。

「耳の手前もシミが目立ちやすいエリアですが、ここは日焼け止めやファンデーションできちんとカバーされていないことも多く、シミが発生しやすいと考えられています」(高瀬先生)

シミができない部分もあるのか聞いてみると、「ありません」と、高瀬先生。「シミは鼻にも唇にも発生しますし、よく見ると眉や頭皮にある方もいらっしゃいます。日光が当たる場所である限り“どこにでもできる”といえます」(高瀬先生)

意外に気づきにくいのは、メガネをかけている人の“鼻パッド”の部分。ここがうっすら黒ずむのは。メガネによって鼻筋が圧迫され、一種の色素沈着を起こしているため。
うーん……顔の中にあるシミや影が“シミなのか、ホクロなのか、色素沈着なのか”、自分で判断するのは難しそうですね。

「確かにメガネの色素沈着や、鼻の下にモヤモヤと広がる肝斑などは、判別が難しい場合もあると思います。ご自身のシミの状態や治療法をきちんと知りたい場合は、皮膚科に来院していただくのが良いかもしれません」(高瀬先生)

次回はできてしまったシミやくすみについて、解決法をお届け!美白コスメの選び方や、気になるクリニックの治療法を高瀬先生に教えていただきます。

180118tm_051x
皮膚科医
高瀬聡子先生
ウォブクリニック中目黒 総院長。1995年慈恵会医科大学卒業後、翌年より慈恵会医科大学付属病院皮膚科に入局。2007年ウォブクリニック中目黒を開業。ドクターズコスメ『アンプルール』の開発・プロデュースも。
■ウォブクリニック中目黒 

文/宇野ナミコ 撮影/田中麻以(小学館)

この記事をシェアする

Pocket

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事